Toshie Flower Designのコンセプト”Enjoy the Moment”「今を楽しむ」に因んで私の周りにいる今を楽しんでいる素敵な人たちをPic up して取材し、価値観やライフスタイルなどを皆さんとシェアして行きたいと思います!
また、取材のお礼としてその人をイメージした花束をプレゼントしますので、そちらもお楽しみくださいね。
第1回目の今回は、スペシャル拡大バージョンになります!


株式会社プラネリー代表取締役 
ハナスタジオ カメラマン 岡 絵理さん

Toshie(以下省略)  インスタの投稿、いつも拝見しています。最近の撮影で、中学の卒業記念写真をそれぞれの部活のユニフォームで、というのがあってすごく自然な笑顔が印象的だったんですが、それは岡さんのアイディアだったんですか?

岡さん「私が言ったのかどうかは覚えていないんですが、撮影の前に簡単なインタビューをして、その人なりのオリジナリティーを出すための、例えば好きなものやそのとき熱中しているもの等を用意してきてもらうようにしています。


 それで、1枚1枚がストーリーのワンシーンのような写真にできあがるわけですね。ほら、一般的な記念写真って、一張羅を着て、気をつけして。人が変わるだけで同じ写真のような感じじゃないですか。

岡さん「私も飽きちゃうからね(笑)。その人だけのオリジナリティーのある写真を撮れば、私も楽しいし、お客さんも嬉しいじゃないですか。
 反抗期の中学生の男子、なんて本当に大好きなんですよね。いかにも仕方なく、連れられてきたみたいな。どうやって心の扉を開いていくかっていうゲームをするわけですよ。ふと『ハハッ』って笑った瞬間を撮る!それをやったら今日はいいお酒飲めるな、と思います。


 お話を伺っていると、すごく自分のスタイルをしっかり持ってお仕事してらっしゃるな、と思うんですが、そこにたどり着くまでの何かがあったんですか?

岡さん「元々私、小さい頃からどこでもリラックスできない緊張型の性質で、それがあったから、お客さんが緊張しているのがすごく分かるし、癒やしてあげたいって思う。癒やし方がよく分かるんです。自分がそうだったから。だから、マイナスの面が生かされてると思うんですよね。思春期とかもろにそうで、闇の時期があって。だからこそ、人がここに来て癒やされるっていうような場所を作りたいなあっていうのがあったんですよね。自分も変なプライドを捨ててむき出しになることで、お客さんも同じような加減でむき出しになってくれる。自分が鏡で、自分が笑えば『笑っていいんだ』ってお客さんも思うし。

 じゃあ、岡さんの自然体なところが素敵だなって思っていたんですが、それはもともとお客さんの為だったんですね。そうやってご自身がお客さんの立場に立って自然体に振る舞うことによって、ご自身が楽になっていったりとか、楽しめるようになっていったりとかそういうことでもあるんですか?

岡さん「最初の方は、相手がリラックスできればいいと思っていたんです。でも、相手に比重を置きすぎると自分が可哀相になっていっちゃうから、自分が楽しむのと相手を楽しませることのバランスがすごく大事で、自分も楽しいからやっているっていうことが大事。相手ばかり楽しませて自分を置き去りにしているとすごく疲れてしまうし、空しくなっちゃう。昔はやり過ぎちゃって、そういうこともありましたね。家族にだって比重を置きすぎても行けないし、自分だけになってもいけないし。調和してるとすごく毎日が楽しく過ぎていくから、自分の心のあり方にすごく気を遣っているかもしれません。そのために、『書く作業』をして自分がどう思っているかを確かめて、自分の意思を確認しているからその後の生活が自然に見えるんだと思う。書いているから、次の日何も考えないで生きられる。

 じゃあ、その「書く作業」っていうのが岡さんにとってすごく重要なんですね?

岡さん「ノートも何冊かあって、例えば『アイディアノート』。思いついたものを頭に置いたままにしてると、『覚えておかなきゃ』っていうことで頭の一部を使っちゃうから、負担だから書いちゃって終わりにする。それ以外には書く内容に合わせてサイズの大きなノートと、(ノートを見せながら)これは日記的なものを書きます。

 プライベートな時間に、ただ楽しむため、リラックスするためにやっていることってありますか?

岡さん「空を見てコーヒーを飲む。そのときは自分のために一番美味しいコーヒーをゆっくり淹れるんです。自分だけのために作ってるって意識して。そして『うわ、美味しい』って空を見て、30分くらいかけて本当にゆっくり飲む。

 そうやって自分だけのための時間をとることって、忘れちゃう人が結構多いと思うんですよ。私もそうなんですけど。でもそれがあるからこそ普段の仕事が上手くいったり、人とのコミュニケーションが上手くいったり。自分のコンディションを保つのって本当にすごく大事なんだなあって思いました。

岡さん「ほんと、世界平和につながると思いますよ(笑)。家族の平和はお母さんにあると思う。お母さんがイライラしてたら良くないですよね。そうならないようにするには、多少迷惑をかけてもいいから、自分の時間をくださいっていう方が効率がいいと思う。『お母さん今から3時間くらいぼーっとしてくるから、その後はすっごい優しいよ』とか。それを駄目っていう旦那さんはいないんじゃないかな。

岡 絵理さん 略歴

幼少時代は兄の友達の中に混じって、男の子のように遊んでいた。
中学時代はどこにいてもリラックスできず闇の時代を過ごした。
27歳でカメラマンとして独立。28歳で独立した自営業の父に勝ちたかった。
スタジオを持って最初の3年程はかなりの経営難で苦しい時代もあり、ひたすら働いた。
キャバクラ嬢の看板写真を撮る仕事をしたのがきっかけで、船橋駅北口にキャバクラ嬢専門のヘアセットのお店をオープンし、オーナーとなったことで資金を作ることができた。
津田沼、幕張本郷でも店舗を構え、その後今のスタジオとカフェがある土地に移転。そのときはシングルマザーだった。
スタジオの隣でご主人がカフェを経営するというのは、以前からの理想だったそう。
自分が置かれている環境は自分で作るもの。それが不満であっても理想的であっても。岡さんはそう話す。

《編集後記》

 当日、取材に伺うとすでにプロフィール写真を撮影し、話す内容をメモして待っていてくださった岡さん。インタビューを心から楽しんでくださったお陰で、私もリラックスしてお話を伺うことが出来た。普段の仕事だけでなく、どんなことも楽しむ姿の裏には、日々自分の心のあり方に気を遣い、自分のコンディションを保つためにきちんと時間を使っているという秘訣があった。
 自分が無理したり、犠牲になったりするのではなく、自分をしっかりメンテナンスしているからこそ仕事や家庭、人間関係が上手くいく。自分のための時間を作るのは、特に女性にとっては相当意識しないと出来ないし、誰かの協力なしではなかなか難しい。でも、それで岡さんのように自分自身も周囲の人も幸せにできるとしたら、試みる価値があるかもしれない。
 自分のための時間にぜひ、花を取り入れてみて欲しい。花の美しい姿、香り、葉や茎の感触は、触れているだけで五感のすべてが癒やされる。生命のエネルギーが力をくれる。創ることで自分を表現し、内面から癒やされていく。花を愛でる姿は、周囲の人にもきっとチャーミングに映るだろう。
 「今を楽しんでいる人 Pic Up」初回から本当にいいお話を伺うことが出来た。次回はどんな人をイメージした花束を作るのか、そして今度はどんな気づきを得ることができるのか。自分でもとても楽しみだ。

取材のお礼としてこちらの花束をプレゼントしました。岡さんの中性的なカッコよさと、内面からにじみ出る女性らしい柔らかさ、そして芯の強さを表現してみました。束ね終わってみると、岡さんのイメージ通りの洗練されたお洒落な印象に仕上がりました。
使用花材:カラー、スプレーバラ、オーニソガラム、スモークツリー、ユーカリ、ダスティーミラー